チョコレートとアガベの由来と現在
かなり前のことになりますが、日本で一時ガーナチョコレートが流行しました。
なんだかチョコレートの原産地がアフリカのような気になってしまいますが、実はチョコレートはメキシコのマヤとアステカの文明とは切っても切れない関係にあり、メキシコや中米が原産なのです。カカオの種は、風と知恵の神様であったQuetzalcoatl(羽毛のある蛇)が、人間に授けた宝物だというのが伝説になっています。ウィキペディアによるとチョコレートといっても現在のような甘味ではなくコーンミールやトウガラシを入れて飲むのが普通でした。
一方、アガベについては次のような伝説があり、神話によると何千年も前のことHuitzilopochtli神は、アステカ民族の人々に理想の土地のmetl(メキシコ)を探し求めるように指示したと云われ、その理想の土地の目印となるものは、ワシが蛇を捕まえてサボテンの上に停まっている場所といわれた。この神話は現在のメキシコの国旗の模様にも描かれている。定住した街の名前の意味は『マゲイの神が住むところ」。マゲイはアガベ種の一つですが、アガベの神はMayahuelと云う女神。Mayahuelは、自らの血、つまりマゲイの果実汁を用いて、人類に栄養を与えていたものだと云われてます。
アステカの人々は、いくつか限られたマゲイの搾り果汁を儀式のときとか、授乳をしている母親たちのエネルギー源として飲ませていました。このマゲイ果汁は、集められpulqueと呼ばれる弱い発酵酒を作るために使われ、mezcalやtequilaの遠い祖先としてまだ残っています。このプルケを祭るための400もの神々が居ると云われており、それぞれは酔っぱらいのレベルの違いを示しています。現代においても、プルケを飲むときは、神々に敬意を表するために、数滴床にプルケを落として奉ると云う習慣が残っているようです。
甘味でなかったチョコレートがヨロッパに渡り、砂糖を入れることで現在のチョコレートに近づいたのですがチョコレートもアガベも同じメキシコ産であることが面白く、現在ではベルギーチョコレートやスイスチョコレートを筆頭に日夜さらに良いものを作ろうと各メーカーは努力をしており、砂糖を使わずアガベ利用も増え、切れの良い甘味のチョコレートに進化をしています。
メキシコ原産のチョコレート(カカオの種)とアガベが、新たな姿で世界中に広まっていることは、アステカの神様にとっても嬉しいことに違いありません。(岩山鉄平より抜粋)